帰国子女の高校受験は、偏差値の高い高校を狙うべき?
帰国子女にとって高校受験は偏差値の高い難関校ほど有利になります。ここでは、その理由や帰国子女枠のある難関校、その入試制度などを紹介します。
なぜ偏差値の高い難関校を受験するのが有利なのか?
なぜ帰国子女にとって、偏差値の高い難関校を受験することが有利になるのでしょうか?その理由は2つあります。
①内申点・事前相談の影響
偏差値の高い難関校と比べて、中堅校は内申点をもとにした事前相談の影響が大きい傾向があります。つまり、入試本番の結果に対して、内申点や事前相談が合否に大きく影響するということです。
海外からの受験の場合、事前相談が受けられないのでその分不利になってしまいます。
それに対して国立や早慶などの偏差値の高い高校は、筆記試験の実力勝負であるところが大きいので、帰国子女にとっては中堅校よりも難関校の方が受かりやすい場合もあるのです。
②帰国子女のための優遇措置
国立や早慶などの偏差値の高い高校は、そうでない高校と比べて、帰国子女のための入試制度や優遇措置が取られている場合が多いです。中には試験内容が英語の学力試験と面接のみのところもあります。
帰国子女のための入試制度
では、各高校の帰国子女のための入試制度がどのようになっているのか見ていきましょう。
慶應義塾湘南藤沢高等部(神奈川県・偏差値75)
慶應義塾湘南藤沢高等部は、英語教育と異文化交流に力を入れており、全国枠(日本の生徒募集)よりも帰国子女枠の方が多く設けられています。
学力試験
英語・数学・国語の3科目、各60分。英語は現地校向けの内容となっています。
面接
英語と日本語で、英語の内容はかなり難しいようです。
早稲田大学本庄高等学院(埼玉県・偏差値75)
早稲田大学本庄高等学院は、帰国子女のための入学試験コースが複数設けられており、「帰国生入学試験」と「Ⅰ選抜」の2つがあります。
帰国生入学試験
英語、数学、国語(日本人生徒の一般入試と共通)
Ⅰ選抜
最初に書類選考が行われ、その後学力試験(数学・国語各30分)と面接を実施。
Ⅰ選抜については書類選考が重視されており、数学と国語の学力試験はごく基礎的な問題です。
東京学芸大学附属高等学校(東京都・偏差値75)
東京学芸大学附属高等学校は、スーパーグローバルハイスクール指定校で、グローバルな人材育成に力を入れています。
学力試験
英語・数学・国語の3科目、各50分。英語と国語の試験問題にはマーク式の解答を含みます。
面接
東京学芸大学附属高等学校の面接は面接官との1対1の面接ではなく、面接官+生徒が5~6名のディスカッション形式です。ディスカッションは日本語で行われます。
立命館宇治高等学校(京都府・偏差値66-67)
立命館宇治高等学校は、国際教育推進を目指し、世界で活躍する人材育成に力を入れています。香港、上海、ニューヨーク、ロンドン、シンガポールなど海外にも試験会場が設けられ、現地で受験できることが大きなメリットです。
入試にはIGコース、IMコース、IBコースの3つのコースがあります。また、IM、IBコースは推薦・専願、IGコースは推薦・専願・併願があります。試験は11月入試と2月入試がありますが、ここでは11月の試験内容を見ていきましょう。
IGコース・IMコース(推薦・専願)
A方式…作文・面接
B方式…学力試験(国語・数学・英語)・面接
IGコース(併願)
B方式…学力試験(国語・数学・英語)
IBコース(推薦・専願)
IB方式…小論文・学力試験・面接
同志社国際高等学校(京都府・偏差値67)
同志社国際高等学校は、京都で唯一の「帰国子女の受け入れを主たる目的として設置された学校」です。実際に生徒の3分の2が帰国子女で、高1高2の編入試験も実施していることが特徴です。また、試験会場はシンガポール・ロンドン・ニューヨーク・ロサンゼルスにも設けられており、現地で受験することも可能です。
帰国生の入試は、特別推薦入試、A選考、B選考の3つのコースがあります。それぞれの試験内容を見てみましょう。
特別推薦入試
条件A…語学資格・書類審査・自己推薦書・面接
条件B…成績資格・書類審査・自己推薦書・面接
A選考
小論文(日本語以外)・面接・書類審査
B選考
学力試験(国語・数学・英語)
まとめ
以上、帰国子女の高校受験は偏差値の高い高校ほど有利になる理由や、入試制度について紹介しました。帰国子女の方は是非高校選びの参考にしてみてください。
また、帰国子女が海外から日本の高校受験をする場合は、専門の塾で勉強することでさらに合格率がアップします。アメリカ、アジア、ヨーロッパなど世界中の国に校舎を持つena国際部は帰国子女入試を専門にサポートしています。詳しくはホームページをご確認ください。